はじめに

自分の資格勉強の方法について不足を感じている。 「不足」という言葉が出たのは、勉強方法について「間違えた!」というような意識はないが、「まだ足りていない」という気持ちがあるからだ。 資格取得(2022年~2025年でIT資格を10個取得)という実績があるので、全くの無意味だとは考えていない。 ただし、自分のスキルアップに貢献したかとなると、そうではない。 資格を取得した後は、そこで終わってしまう。 アウトプットや実績にもつながらず、学習内容も時間とともに忘れていく。 資格取得という実績があるが、不足を感じている現在の勉強法について整理しつつ、今後の課題を言語化していく。

現在の勉強方法

自分の勉強方法は単純で、過去問を繰り返すことに尽きる。 通勤電車や自宅で、問題集を開いて解いていく。 解くときの手順は3つだ。

  1. 問題の内容を把握する
  2. 正解を覚える
  3. なぜその正解が導かれるか、回答までのプロセスを理解する

手順3で腹落ちしない場合は Perplexity AI や Claude、参考書を引いてさらに深掘りする。 問題集は実際の試験形式に近いものを選び、過去問が手に入るならそれを優先する。 やることはこれだけだ。

この方法を選んだ理由

理由はいくつかある。

1つ目は隙間時間で勉強しやすいこと。 過去問は1問単位で完結するので、通勤中の数十分でも進められる。 机に向かう必要がない。

2つ目は本番で形式に慣れること。 解き慣れた形式を本番で見ると、焦らずに取り組める。 試験本番のパフォーマンスを安定させる効果は大きい。

3つ目は方法がシンプルで迷わないこと。 やることが「過去問を解く」に集約されているので、日々の勉強で「今日は何をしようか」と迷う時間がない。

自分はこの方法で、2022年から2025年で10個の資格を積み上げてきた。 資格に受かる目的に対しては、自分にとって今でも最適解だと思っている。

続けるうちに気づいた限界

何度も同じ過去問を繰り返していると、ある時点から頭を使わなくなる。 最初は手順3でじっくり考えていたプロセス理解が、繰り返すうちに「問題を見た瞬間に答えが浮かぶ」状態に変わる。 反射で答えられるようになる、と言ってもいい。

これは一見、知識が定着したように見える。 実際、この状態になれば試験には受かる。

ただし、同じトピックを別の切り口で出題されると、急に分からなくなる。 過去問では「Aについて正しいものを選べ」で覚えたトピックが、別問題では「Bの状況でAを使うときの注意点」として出てくる。 このとき、反射で答えてきた自分は手が止まる。

つまり、試験に受かる能力と、トピックを理解している能力はずれている。 受かるための最適解だと思っていた方法は、その意味では狭い目的にしか効いていなかった。

不足の正体

資格取得前後で、自分の能力が向上した感覚は薄い。 取得後は学習内容が時間とともに頭から漏れていく。 残るのは「資格取得」の肩書だけだ。

ある企業との面談で、自分が学習したはずのトピックについて深掘り質問を受けた。 概要までは答えられたが、深掘りされた途端に答えに詰まった。 業務や日常の場面でも、学んだトピックを活かせたと実感できた瞬間がほとんどない。 資格は取れているのに、知識が手元に残っていない。

ここまで考えて、自分が感じていた「不足」の正体が分かってきた。 「資格に合格する勉強法」と「スキルが身につく勉強法」は別物だ、ということだ。 過去問ループは前者には強いが、後者には届かない。 この2つを混同していたから、合格しているのに「足りない」と感じ続けていた。 認知科学では、こうした「実感としては効果がある気がするが、実態としては身についていない」状態を「流暢性の誤謬」と呼ぶ。 自分の状態は、まさにこれだった。

次にやること

過去問ループ自体をやめるつもりはない。 資格に受かるという目的に対しては、これが今でも最も効率的だと思っているからだ。 やめるのではなく、その上に何かを乗せる方針で考えている。

具体的には、過去問ループの手順3「回答プロセスの理解」から、腹落ちさせたいトピックを切り出して学習メモにする。 学習メモを自分の言葉で書き直し、ブログ記事や白紙再現法のネタに使う。 記事化やメモのブラッシュアップを通じて、トピックを繰り返し復習する。

資格勉強を通じて資産となるような学習メモを作成して、今後も活用していきたい。

補足:取得した資格

2022年

  • AWS Certified Cloud Practitioner (CLF)
  • AWS Certified Solutions Architect - Associate (SAA)

2023年

  • Cisco Certified Network Associate (CCNA)
  • CCNP ENCOR

2024年

  • CCNP ENARSI
  • LPIC-101

2025年

  • LPIC-102(LPIC-1認定)
  • AWS Certified Solutions Architect - Professional (SAP)
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験

参考書籍

  • 私は合格する勉強だけする(イ・ユンギュ・日経BP・2022)
  • 大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法(棚田健大郎・ダイヤモンド社・2022)
  • 科学的根拠に基づく最高の勉強法(安川康介・KADOKAWA・2024)
  • 世界一流エンジニアの思考法(牛尾剛・文藝春秋・2023)

変更履歴

  • 2026-05-02: 初版公開